2013-02-27

cero 『My Lost City』リリースツアーファイナル

2/3はceroの『My Lost City』リリースツアーファイナル@渋谷クラブクアトロ
だったんですが、この間の大晦日にWWWのカウントダウンワンマンがあって、その時に『My Lost City』全曲曲順通り、しかもVJつきって素敵なライブを観てしまったから期待感とかちょっと薄れちゃってたんだよね。もちろん観れば楽しいのは分かってるから超楽しみだったけど。
だからニューアルバムの曲も(そもそも発売前にライブでやってた曲が多かったけど)全部聴いた状態でのリリース記念ワンマンってことになったんですが、今までで一番良かったかもってくらいの満足感。

後で気付いたけど、『マイ・ロスト・シティー』以外はアルバム曲順通りで、その間に前作『WORLD RECORD』の曲が入ってくるっていう構成。地続きの物語のような二枚のアルバムの曲を並列で聴けて、それがすごく自然に入ってきたっていうのが新鮮な体験だった。

『水平線のバラード』はWWWで聴いた時とかなり変わったと思うけどこれはあの時シラフさんが風邪引いててトランペット吹けなかったからっていうのもあるのかな。シラフさん大変だったそうでお気の毒だけど、ちょっとお得感。
『船上パーティー』の時間が止まるところは片想いのイッシーとオラリーが出てきて、音源で「つまらないわね」「気が合いますね」の台詞部分を担当していた二人なのでわざわざやりに来てくれたんだな~と思って観てたら、台詞はいつも通り高城くんと翼くんで二人は寸劇だけで笑った。そして片岡さんも加わってチャンバラ?みたいな?笑
曲の世界観通りのはずなのにふざけてるようにしか見えないという。からのオラリーちゃん豆まきで反撃!節分ネタどこかであるかなーと思ったけどここで一気にやるとは笑
でも静止してなきゃいけないはずなのに普通に笑っちゃってる高城くんが好きです。

何曲かサポートでサックスとフルートが入って、CDに近い世界観で演奏してみる、とのことでしたがこれがまたよかったなー。確かに音の感じは音源に近い雰囲気になるけど、アレンジは変わってるしライブ感もあるしかなり新鮮に聴けました。わたしは音を聞き分けるの得意じゃないからパートが増えるとよくわかんなくなっちゃうことが多いけど、音数が増えてもそれぞれ独立しつつバランス良く引き立てあっているから、聴いててとっても楽しかった。

でもやっぱり嬉しかったのが『ワールドレコード』『入曽』『outdoors』『あののか』あたりの曲を久々に聴けたこと!特にワールドレコードはかなりアレンジ変えててびっくりしたし、これがすごく良かった。髙城くんの歌い回しも変えてたし。
新譜のリリースツアーなのに、おまけで昔の曲ってわけじゃなくて、同列で大事にしてるんだなというのが伝わって来ました。

『入曽』『outdoors』『あののか』は、CDの流れで聴くことが多かったから雰囲気の良い曲ってイメージでいたけど、今回改めて聴いて、メロディが綺麗で歌モノとして良い曲だなぁと思った。
だから入曽~スマイル~outdoorsの流れとか、roof~あののかの流れとか、すごく自然で良かったです。『スマイル』とか曲名がストレートなのもあってceroっぽくない曲だなとか思ってたんですけど、あーこっちの流れだったのかって。
『大停電の夜に』は途中から真っ暗になって、シラフさんが点滅するライトで客席に向かって照らしてたんだけど、あの少しのライトですごく人のぬくもりとか生活の営みを感じるから不思議だ。夜の中央線を思い出したりして。

途中シラフさんが唐突に「あ、今日物販あるんでよろしくお願いします、3000円です。」って言って真顔で使い古しの白い温泉タオルみたいなの見せてたのは笑った笑 関係ないけどクラウドナインの手拍子のとことCTCのしっとりめのところでシラフさんの顔が面白すぎて吹いた。サポートメンバーがあんだけ魂入れて演奏してくれてるのは本当に幸せなことだ。

あだ麗のツイてる教の話をしていたら荒内くんが使ってたタオルに「happy lifeって書いてある…!」って見つけて「そういう時どう言うんだっけ?」「…ツイてる…!」って流れも笑った。百姓もしてるBIOMANがecocolo的なロハス的な雑誌に「農業・バイト・音楽」とか言って載ってたって荒内くんが馬鹿にしてて面白かった。兄のオオルタイチはかっこいいのになんであんなに目が細いんだとか言ってたら高城くんに「あなたも目細い方でしょ」って突っ込まれて更に目が小さい翼くんが凹んでたりとか。

MCいつもぐだぐだしながらも笑えて好きなんだけど、髙城くんが年明けにツアー周ってく中で仙台も訪れてそこで見た海がすごく綺麗だったのが印象的で、そういう感じで今年を始められて良かった、というようなことも話してて、楽しく自由に音楽をやりながらも震災のことを真摯に考えている感じはこれからの時代を担う者らしいなぁとか思いました。

というわけで、このライブでは色んな表情を持つceroの全体像が初めて見えてきた感じがした。『WORLD RECORD』のレコ発の時も完成されていたけど、その時のceroからは随分変わってきた部分もあるだろうし、一昨年のクリスマスワンマンでも沢山の曲を聴けたけどあの時は二部構成で、単純な静と動の二面性として見ていたから。

静と動ってだけじゃなくて、日常とファンタジーとか、パーティー感と孤独とか、楽観と悲観とか、そういうののブレンド具合が一曲一曲違っているし、もちろん音楽のジャンルも混ざっているから、曲のバリエーションの豊富さを再確認すると同時に、共通性も見えたような。見えたというほどはっきりはしていないけど、言語化しにくいレベルでじんわり感じました。あぁ、ceroってこういう感じかぁ、そうだなぁ、と。いや、むしろ言葉にできることを感じ取るよりよほどすごいのかもしれない。アルバムは何度も聴いているのに、ライブで提示されて新鮮さと共に受け取れるというのは、すごくしあわせです。

髙城くんもこう言っている。
ライブ直後は『good life』と、できれば『武蔵野クルーズエキゾチカ』も聴きたかったなぁと思ったけど、振り返ってみるとコンセプトからは外れるのは承知でラスト武蔵野で盛り上げる、なんてことがなくてむしろ良かったんだと思いました。美意識を感じるライブ。(と言いつつ、WORLD RECORDのレコ発の時は武蔵野やってて、アルバム曲しか知らなかったわたしはびっくりしたけど。)

そういえば、WWWで観るceroがとても好きで、一昨年のワンマンでのVJもすごく良かったので、特に演出のできなさそうなクアトロに決まったときちょっとテンション下がったんだけど、そんなことすっかり忘れていた。二列目で観れたのもあってメンバーの動きを見ながら夢中で楽しんだ。音自体もそうだし、楽器を持ち替えたり、ちょっとした振り付けを入れてみたり、本当にわくわくする演奏をしてくれるバンドだ。
じわじわと知名度も上がってきて、まさかのCDJでも満員・大好評だったみたいで、まだまだ会場が大きくなっていくんだろうけど、楽しみでしかたない。どんな曲を聴かせてくれるんだろう。大きいステージをどう使ってくれるんだろう。
ただ、たまーにWWWに戻って来てくれれば大満足だけど。
早くまた観たいなー。



セットリスト

1.水平線のバラード
2.マウンテン・マウンテン
3.cloud nine

4.ワールドレコード
5.大洪水時代
6.船上パーティー
7.exotic penguin night
8.入曽
9.スマイル
10.outdoors
11.21世紀の日照りの都に雨が降る
12.マイ・ロスト・シティー
13.Contemporary Tokyo Cruise
14.roof
15.あののか
16.さん!

en.
17.大停電の夜に
18.わたしのすがた

2013-02-06

ふくろうず「リリースまだだよ、ごめんねワンマンライブ」



1/19はふくろうずの約1年半ぶりのワンマンに行ってきたよ。
リリースまだだよ、ごめんねワンマンライブ」@代官山UNIT
前回ライブ観たのはバレンタインイベントみたいなやつだったから、ほぼ1年ぶり。機会があれば観たいってライブ予定ちゃんとチェックしてたけど、あんまり好みの対バンがなかったり(ほんとにメジャーデビューしたのかよ的な)予定合わなかったりでなかなか。

結構すぐソールドアウトしたみたいだったしお客さんぎゅうぎゅうで、5列目あたりにいたけどステージよく見えないくらい。だから今回ほぼ内田さんしか見てない。めちゃめちゃ可愛かった。今まで見た中でいちばん可愛かったよ内田さん…!


最初あんまり声出てなかったけど5、6曲目くらいから良くなってきて、そうそうこのスロースターターな感じ、ふくろうずだ…!ってにやにや。
もちろんこれから活動するにあたって最初から調子出せるようになった方が良いに決まってるけど笑 内田さん緊張しいなのかなーそうなんだろうなー。だからやっぱり去年観たようなイベントで数曲じゃなくて、ワンマンでたっぷり観れた方が断然良い。

内田さんの歌声は、その不安定さ…と言うとちょっと語弊があるかもしれないけど、どこかあやうい感じが魅力だと思ってたけど、今回は柔らかくて少女的な声質はそのままに真っ直ぐ声が通っていて安定感があったのが印象的で、気持ち良かったなぁ。
口からCD音源みたいな感じだった、と言うと褒め言葉に聞こえないか。でも柔らかいのに通る声ってなかなか難しいと思うんです…!かと思えば、原田郁子的な感じで喋るように歌ってみたり、音程もリズムも微妙に変えていたりとくるくる歌い方が変わって、それらを違和感なく使い分けているのと、どこまで狙っているのか分からないところが、唯一無二のボーカルになっていて素晴らしかったです。

特に印象に残ってるのは、まず『だめな人』で手拍子する内田さんの可愛さね。笑 顔の横で、左右代わりばんこにやっててさ、でも別に楽しそうでもなくてさ、可愛かったー。
あと『スフィンクス』はやっぱりライブに限るなとか。
本編最後、「今日来てくれているみなさんがたとえどんな人でも、ふくろうずを好きだと思ってくれているみなさんは私にとって優しい人です」(意訳)って内田さんのMCからの『優しい人』のエモさとか。

てゆうかふくろうずはどの曲もエモいってことに気付きましたよ。
この言葉意味も曖昧だしあんまり使ったことなかったけど、ふくろうずに使うための言葉で合ってるよね…!?笑 ずっとエモいんだよーでもしつこくならない。何度も言うと薄っぺらいな。

アンコールでは内田さんエレキギター弾いててこれまた可愛かった。真っ赤なギターを抱えてちょっと横向くのが画になりすぎて。たぶんアレンジの幅を広げる意味で挑戦してみてるのかなと思うけど、どんどんやっていって欲しい。

こんな感じで、ふくろうずに関しては曲を聴いてるだけで満足だからアレンジの変化とか演奏の善し悪しまで気持ちが行かなくって、好きな曲聴けてうれしかったなーで感想がほとんど終わってしまう。でも確実に観るたび良くなってるので、今年はもっと追いかけたいなぁ。
今見逃したら駄目な感じがすごくします。何かきっかけがあれば一気に遠いところに行っちゃうはずだから。

新曲が幾つかあったけど、SOSやっぱり可愛くて好きだなぁ。なんか岡村ちゃんイズムを感じました。
そして今回初披露だったM.13の新曲は「デスティニ~♪」ってフレーズが印象的な結構ストレートなラブソングで、こちらは聖子ちゃんイズムを感じた。後でTwitterでファイナルファンタジーの曲のオマージュっぽいって話題になったけど。

でも他の新曲も含めてよりひねくれてないJ-POPに寄ってきたなって感じがありました。一度や二度聴いただけだと違和感もあるけど、音源になってまとまって次の方向性を見せてくれる時が楽しみ。それか、これから変えてってふくろうずらしい曲になっていくのか。でもカシオペアで同期していた音があんまり好みじゃなかったのがちょっと気になるなぁ、それやったらよくいるロック×電子音な感じに見られるんじゃないかと思って。

それから今回VJがすごーく良かった!具体的にどんなだったか思い出せないけど笑 でもその主張しすぎずふくろうずの世界観を増幅させる感じがちょうどよかったんです。雪とか星とか幾何学模様的なのだったかな、そんなに意味も持たないようなので。それに映像がメンバーに映るのが綺麗だった。恒例にしてほしいー。


あと、満員だった割にお客さんが全然盛り上がってなかったのはなんなんだろう笑 拳上げて騒ぐ系よりは全然良いのですが、もうちょっとMCに反応してあげても良いだろうし、反応しないシュールさを楽しむ方向にしても曲終わりの拍手くらいもっとしようよ…!聞き入ってるのか興味ないのかわかんなくなってくるからー。
それから気になったのは曲間が長くて観てて気持ちが切れちゃうようなところが何度かあったことかな。大事な曲の前で長く取るのは良いけど、何度もあると大丈夫かな?って思っちゃう。お客さんに心配させるのは良くないよなぁ。

というわけで、クオリティが保証されつつも伸びしろもまだまだあるぞ!な今のうちにライブを観に行かない理由がないのです。2013年頑張る宣言してるし、素敵なツーマン企画も始まったし、飛躍を見届けてやるんだー。


セットリスト!


1.ごめんね
2.グッドナイトイズカミング
3.トゥーファー
4.だめな人
5.もんしろ
6.SOS(仮・新曲)
7.ループする
8.カシオペア(仮・新曲)
9.夜明け前
10.スフィンクス
11.キャラウェイ
12.サタデーナイト
13.新曲
14.すばらしい世界
15.砂漠の流刑地
16.優しい人
~アンコール~
1.新曲
2.できない