2011-04-26

Salyu×Salyu (1)

4/21
Salyu×Salyu tour s(o)un(d)beams
@横浜ベイホール

いってきました。

はじめての生Salyuでしたっ。

まずねぇ、Salyu今までそんなに聴いてなかったのですよね。
すごーく歌が上手い、稀有な存在なことは認識していたし、
リリィ・シュシュのすべてとかやってたり、最近アートワークが可愛かったりして
どちらかというと好印象だったんだけど、CD借りてきてもあんまり聴かずじまいな感じで。

まぁ、たぶん小林武史のJ-POPさが苦手なんだとおもいます。
聴きこんでないのでなんとなくのイメージなんだけど。
同じ小林武史でもYENTOWN BANDは大好きなんだけどなあ。

で、今回はCorneliusとのコラボということで!!
発表されたときからわくわくしてました!
名盤にしかならないだろうという確信があって。チケットも取って。
(ほんとは中野ファイナルがよかったなぁと未だに悔やまれる…が、先行全敗で一般も瞬殺でございました。なんかスペシャルありそうだよなぁ。きっとあるよなぁ。)

アルバムは期待以上の出来!!
発売前に最初に発表された「ただのともだち」で、「『CorneliusとコラボしたSalyu作品』ではなく『SalyuとコラボしたCornelius作品』感」が想像以上だったのですが、そういういかにもCorneliusなかっこいい曲と歌メロの綺麗な曲とがバランスよくあって、アルバム丸ごとのコラボレーションをすることで二人の相乗効果が最大限に発揮されたのではないかとおもいました。

ただのともだち/Salyu×Salyu


そもそも「Salyuの使い方」の正解はこれだったんじゃないかとおもうくらい。

普通にSalyuの歌唱力を活かそうとすると、小林武史プロデュースのようになるんだろうけど、
そういう美しい、癖の少ないメロディで、アレンジも歌を引き立て同調するような感じにしていたのが、
曲全体をつまらないものにしてしまっていて、逆に個性を殺していたのではないかと。(大袈裟に言うと、ね。)

対してCorneliusプロデュースでは、Salyuの歌唱力という個性と曲自体の個性とを正面から戦わせることで結果的にSalyuの歌唱力がより際立つ結果になったんじゃないかな。
もっとシンプルに言うと、Salyuを引き立てるとかいう以前にSalyuにしか唄えない曲を作ってみせた、ということか。で、そうするともちろん「Salyuすげぇ~!」ってなりますよね、という。

Corneliusのインタビューでも、Salyuだから自分では唄えないような難しい曲も作れたと言っていたので、Cornelius自身の挑戦の意味も大きかったみたいですね。
Salyuも、プロデュースする側、される側、お互いにメリットがないと、みたいなことを言っていましたが、今回は特にそんな感じがします。幸せなコラボレーション。


と言ってもあくまでもわたしの好みなのでね。
今までのSalyuもいい曲だなあとおもうのいっぱいあるし。
ただ、ちょっと変な、おもしろい曲の方がすきなだけで。

でもほんと、良い組み合わせだった!
Salyu×Salyuのプロジェクトは続いていくということで、
次回はCornelius以外の人とやるんだろうけど、今回以上のコラボレーションができる人、
思い浮かばないです。別に、ここまで作曲に色が出る人じゃなくてもいいんだけど、ある程度個性のある人じゃないと今回とのギャップが大きすぎて、もしくは「Salyu」とのギャップが小さすぎて高くなったハードルを越えられないんじゃないかと心配になります。
小林武史ともこれからもやるんだろうし何年後になるかわからないけど、楽しみです。

ライブのことを書きたかったんだけど、長くなってきたので次回に続きます。




2011-04-18

レキツ。

池田貴史(100s、SUPER BUTTER DOG)のソロプロジェクト、レキシのニューアルバム「レキツ」がすごくいい!すき!

まずはこちらを。
きらきら武士feat.Deyonna(椎名林檎)



きーらーきーらぶっすぃ~♪
一度聴いたら離れないはず(笑)
これぞJ-POP!

MVも最高!!!
それもそのはず、制作陣は児玉裕一監督、クリエイティブディレクター箭内道彦さん、スタイリング北澤momo寿史さん、カメラマン正田真弘さんと素敵な方ばかり・・・!
超キュートなモデルさんは仲川希良さん。きらきら武士だから希良さん。今回初めて知りましたが既にファンです(笑)
彼女の撮影ブログにオフショットが幾つか。気付いてない小ネタも沢山ありそうです。

スタイリッシュでかわいくておもしろいだけじゃなくて、今回のアルバムの世界観がそのまま表現されているのが素晴らしい。最初は本能寺の変風に炎の中で池ちゃんが舞うシーンがあったのだけど、震災の影響で少し変わったみたい。


で、アルバムなんですが、そもそもレキシはその名のとおり日本史をネタにした歌詞で、レキシネームという変な名前をつけられた豪華ゲストが多数参加している池田貴史のソロプロジェクト。これは2ndアルバムだから「レキツ」。ちなみに1stはまだ聴いてないのでとても気になる。
レキシネームは、例えば椎名林檎の「『入り鉄砲に出女』の出女をディーバ風にした」Deyonnnaとか、SAKEROCKハマケンの織田信ナニ?とか、安藤裕子の聖徳ふとことか、ライムスターMummy-DのMC母上とか・・・最高(笑)

歌詞を見て爆笑しながら聴きました!
まずM1「そうだレキシーランド行こう」は、○ィズニーランドと日本史を絡めた歌詞。ラップはスチャダラパーのBose(MC四天王)とANI(MC末裔)なので文句なしにかっこいいんですが、言ってるのは
「ブッダのへそからお腹を探検 ビッグサンダー大仏殿」
「彼女とぴったりくっつくなら 狙い目はホーンテッド長屋」
とか・・・
○ィズニー好きのわたしのツボでした(笑)

M4「どげんか遷都物語」は遷都して平安京へ行ってしまった彼女を平城京から想う歌。
M6「かくれキリシタンゴ~Believe~」はかくれキリシタンを盲目的な片想いと重ねて歌う。
M9「狩りから稲作へ」は、縄文時代と弥生時代の代わり目をモチーフに、その頃の情景をやたら切なく描写するいとうせいこう(足軽先生)のラップと、狩猟生活で転々とするのをやめてずっと一緒にいたいから「私の願いは今日から稲作中心」と歌うサビが秀逸(笑)

全体的に、歴史と恋愛を絡めるのが妙にうまい(笑)そして恋愛っぽくすることですごく親しみやすくておもしろくなる!大学受験でハードに日本史勉強したのがここで役立つとは・・・(笑)
中高生はこれ聴いたら歴史すきになっちゃう、かも。


と、おもしろポイントばかり挙げてきましたが、曲としてはめちゃめちゃ完成度が高いのです。
変な歌詞のようでも、音の響きとメロディがぴったり合ってるからコミックソングみたいなのとは全然ちがう。悔しいけれどかっこいい!
曲ごとに雰囲気は結構ちがっていて、ヒップホップとかファンク、ソウルとかタンゴとか(笑)取り入れつつ、全体的に良質なJ-POPになってます。ギター、ベースがかっこいいのでロック好きにもおすすめ。


そして思ったのが、ミュージシャンやバンドのアイデンティティというのは普通は歌声やサウンドであって、歌詞の世界観が核となっているというのは意外と今までなかったんじゃないか!?と。

もちろんそれぞれ、恋愛の要素がどれくらいあるか、とか、文語的か口語的か、とか現実的か物語的か、とか様々なベクトルでバンドや作詞家の個性というのはありますが、それは基本的にはそれぞれが「良い歌詞」もしくは「売れる歌詞」を書こうとした結果であり、ここまではっきりとコンセプトになっているのって他に思い浮かばない。
曲単位、アルバム単位ではあるだろうけど、ユニット自体がっていうのはなあ。アイドルとかだとあるかもしれないけど、純粋なミュージシャンとは意味が違ってくるし。

そして、かと言って、同じ方向性で歴史以外のやり方ってあるんだろうか、と考えるとちょっとわからない。
老人の曲しか歌わない、とか?アニメや漫画と結びつけるとか?サラリーマン目線とか?猫設定とか?
うーんなんかうまくいかなそう。マニアックなアイドルか一発屋のタレントみたいなのしか想像できない。

ということで、レキシというのはある意味「正解」なんじゃないかと。
池ちゃんだから成立している、というのもありそうだけど(笑)
これ、やろうとおもったの、すごいとおもいます。このクオリティで実現させているのも。
そうそう、Twitterにて「バンドが解散したあと、そのアイデンティティは普通フロントマンが受け継ぐことが多いけれど、SUPER BUTTER DOGにおいてはハナレグミではなくレキシが受け継いでいる」というようなツイートを見て、すごく共感しました。

遊び心が溢れかえってる、衝撃的に楽しいアルバム!
おすすめです。